今回は顧客生涯価値=ライフ・タイム・バリューについてお伝えします。10年前にやたら、聞いたことがある言葉でしょうが、治療院に置き換えてお話します。これは今後の治療院経営ではとても大事な方法となります。
- 顧客生涯価値(LTV)
一人の顧客(患者)の価値を調べてみましょう。「患者様の価値を調べるよい!」などと僕が言うと、先生から誤解をうけるかもしれません。
お断りしておきますが、来院患者さんに対して、治療の分けへだてやひいきをすることではありません。
ここでは、あくまでも「グループAとグループB、どちらの患者層の好みやニーズを想定して自院の戦略を考えていくか?」という目的のために、先生がお手すきの時に調べるだけです。
治療現場では、どの患者様に対しても等しく最大限の治療とおもてなしをするのが当然です。では一人の患者様の価値を調べる方法について説明しましょう。
患者様の中には通算50回来院する方もいらっしゃれば、1回通院して二度と再来しない方もいらっしゃるでしょう。
先生は50回通院する患者様と1回だけの方とどちらに注目すべきだと思うでしょうか?
収益とかではなく、このように考えてみたらどうでしょうか。「1回でいいやという患者さんと、50回通院している方とで、どちらあなたをより必要としていると思いますか?」
当然、後者の50回の方でしょうね。仮に整骨院の患者さんだとして、1人1回あたりの売上(窓口+保険)が2,300円なら、患者さんの価値は次のとおりになります。
・(1回通院患者の価値)
2,300円×1回=2,300円
・(50回通院患者の価値)
2,300円×50回=115,000円
このように、1回あたりの平均単価と合計来院回数を掛けたものを、
★顧客(患者)のLTV(Life Time Value=ライフ・タイム・バリュー=生涯価値)
と呼びます。
このLTVは、10年前に通販会社が軒並み出て来た時、注目されたマーケティング手法です。
「生涯価値?その患者様の生涯なんて、寿命もわからないのに計算できないよ」と思われるでしょう。
何年か治療をされていれば、患者様がご来院しなかった時に“あぁ、あの患者さんはもう来ないだろうな”とか
“来年の梅雨ごろになれば、また来院するだろう”と経験則で大体、把握されていると思います。だから、概算でいいから、対象の患者様が一生涯に来られるであろう回数を出していただきたいのです。
それこそタイプ別を出してみて算出してみてください。
・紹介された患者様
・毎日ご来院されている患者様
・慢性化した痛みを治したい患者様
・慰安を主とした患者様
・あの先生、受付さんが目的の患者様
ここでは1人1回あたりの売上(窓口+保険)と言いましたが、これに整骨院では不可欠になる「実費金額」を加えるといいでしょう。しかもLTVは跳ね上がります。
来院回数もタイプ別で違ってきます。正確さ要りません。予測で構いません。来院パターンを把握できる、数字を指標とした患者分析、患者ターゲット指標、そしてスタッフへの教育ができると思います。
このLTVの考え方を用いることで、迷いの半分くらいは取りのぞかれることでしょう。